ビューティフル・マインド
昨晩(オーストリア時間、2006年8月11日)、オーストリアのテレビ局ORFで米国映画を放映していた。話に聞いていた、でも実際に見たことがなかったものが幸運にも見れた。もちろん、喋られていた言語は英語ではなく、ドイツ語に吹きかえられていた。
普通、テレビ番組表などを見ながら、何か面白いことでもやっていないものかとページを繰ったりすることもなかったのだが、何か頭の片隅に、タイトルが記憶に残っていたらしい。
A Beautiful Mind であって、 A Beautiful Heart ではない。
男性に対するタイトルかな、と思った。主人公は数学者、大学で数学を学び、そのずば抜けた数学の才能が買われて当時(第二次大戦後)の米国政府から共産主義対策の一環として秘密の使命を担わされたらしい。
”精神分裂症”に罹って(いる?)&いた(?)らしい主人公の苦闘ぶりが表現されていた。
英国に滞在中にあるお宅、アパートを訪ねた時のことが思い出された。同じ屋根の下に住みながらもご主人とは別居同然のような暮らし方をしていた、お互いに白髪の英国人夫婦。
訪問の度に御夫人一人だけの時もあったし、ご主人だけ一人でいるときもあって、夫婦一緒になっているときに会うと言うこと一度もなかった。会えば、世間話をしたり、今は既に立派に成長している子供、一人は科学者として優れた論文をブリタニカにも執筆していると息子のことを誇っていた御夫人。
ご主人は今、戯曲を書いているのだと原稿を見せてくれたことがある。夫婦ともども知能がとっても高い。
ご夫婦には娘さんも一人いた。この娘さんは時々母親の所に訪れるらしく、
たまたま娘さんが訪れている時にお宅を訪問したこともあった。
実は、この娘さんが映画の中の主人公のように精神分裂症に罹っているのだと老婦人が教えてくれた。滞在中にも発作が起こり、その得たいの知れない喚き振りにびっくり仰天してしまったことがあった。お母さんが娘さんを静めように必死に対応している様子を目の前で目撃して、ちょっとショックを受けたことがあった。
発作が収まるとまったく静かになってしまう。直してあげられないものなのか、とわたしなりに思った。
精神分裂症と書いたが、日本ではそう呼ばないようになったとか、二度三度聞いたことがありますが、ドイツ語でSchizophrenie ですね。手元のドイツ語辞書(1980年発行のコンサイス独和辞典第5版)にも精神分裂症と記されている。
別にわたしの心の中にはその人を差別するといった Mind 気持ちはありませんが、そういうことらしいですね。
ドイツ語の Schizophrenie は差別語だから別の語に代えましょうなどという話は聞いたことがありません。
まだ見たことがない人はお勧めの映画です。
A Beautiful Mind
最後にはノーベル賞を受賞しましたね。そんな展開になるとは全然予想していませんでしたので、感動的な驚きでした。
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